今年の4月に札幌高裁で出された、金融業者が借り手に対して、無効な「グレーゾーン金利の支払い」を求める判決、この日から消費者金融業界では、頭を抱える事態になりました。
この裁判は、北海道石狩市の女性が起こしたもので、札幌高裁はCFJ社に対して、1審で出された約280万円の支払いだけでなく、女性に対する慰謝料や弁護士費用の支払いまで命じたのです。
近年最高裁で、消費者金融にとって、貸付けの有効なケースや範囲を厳しく限定する判決が続いているため、「灰色金利過払い請求」が全国的に行われるようになりました。
裁判では消費者金融側がことごとく、と言っていいほど負け続け、業界各社は決算の下方修正に追われているのです。
もともと「利息制限法」は年15~20パーセントで、それを超える利息は本来無効となります。
しかし「出資法」では上限の29.2パーセントまでをグレーゾーンとして、現在においても営業・貸付が違法とされていない状況があるわけです。
実際、2006年7月の東京高裁では「無効の利息を受け取ったこと自体は違法ではない」との判決が出ていました。
今回の札幌のケースは、高裁判決とはいえ、「請求すること自体が違法」とされました。
このことはグレーゾーン金利自体が適用できないと言っているようなものです。
そうしたなかで、今度は2007年8月13日、最高裁第二小法廷が、「原則として過払いのあった時点からの法定利息(年5パーセント)も盛り込んで請求できる」との初の判断を示しました。
要するに、過払い分の金額に、法定利息を載せて、返還請求できるとしたわけです。
他方、返還請求によって返金を受けた人たちに対して、消費者金融各社は「ブラックリスト」に載せることで対応しています。
つまり、返金を受けると業界の信用情報に「悪質な顧客」としてリストアップされるのです。
「お互いが納得して契約した内容を履行しない顧客である」というのが理由です。
裁判所ではこの部分まで踏み込まないために、返還を受けたことで様々な問題に直面する人たちが出てきています。
このような事態を受け、グレーゾーン金利は2009年末までに廃止されることが決まっています。
逆にいえば、その時期までは、グレーゾーン金利は許されると解釈するのが、金融業者の理屈です。
今後、消費者金融業者は大幅に減っていくと予想されています。
今までのように、大きな幅で客をとるのは大きな痛手になるからです。
これを機に、ヤミ金が増えるのではと懸念の声もありますが、ぜひ、そのような事態にならないように行政の介入も受け入れて、消費者の見方となる、優良な消費者金融業界に生まれ変わっていってもらいたいものです。